正しい治療をしたのに悪化するシミ
「先生、最近シミがすごくでてきて落ち込んでるの。」と40代の御夫人が訪ねていらっしゃいました。ゴルフによく行かれるというので、おそらくSKだろうと思って観察してみたところ、境界明瞭なちょっと張り付いた感じのシミが多数発生していました。間違いなくSK(日光角化症)です。
「・・さん、これはシミでも簡単に治るやつです。Qスイッチ・ヤグレーザーでおそらく1〜2回でかなりきれいになりますよ。最初3回くらいフォトRF・オーロラで顔全体を若返らせ、大きかったり濃いシミの部分にはQスイッチ・ヤグレーザーを当てましょう。」と自信満々にお話しました。そして、治療開始。
ところがレーザー照射後自然にかさぶたがはがれたところまでは良かったのですが、その後レーザーを当てた部分が茶色に変化していったのです。患者さんは不安がりました。「先生、これ、大丈夫ですか?失敗なんじゃないですか?」
「よもや」と思い私はもう一度よく患者さんの肌を観察してみました。最初診察した時はほとんど無かった「肝斑」がうっすら発生していたのです。おそらくレーザーを打つ前の夏に「肝斑」が悪化していたようです。
つまり、薄い「肝斑」の上に濃い「SK」が多数発生していたため、「SK」に目が捕らわれ薄い「肝斑」を見逃していたのです。そこにQスイッチ・ヤグレーザーを照射したわけですから、「SK」は改善しても「肝斑」は悪化したわけですね。
さっそくトランサミンとビタミンC、Lシステインを内服させ、「肝斑」部位の刺激を極力避けさせ日焼け防止を指示しました。3ヶ月ほどで落ち着いてきたのでフォトRFを再開、1年後に「肝斑」の消退とともに再度Qスイッチ・ヤグレーザーを「SK」に照射していきました。結果はたいへん満足するものでした。
このようにシミの治療は簡単なようで結構奥があるものなのです。
それにしてもよく話しはしていたつもりですが、患者さんがついてきてくれてほんとうに助かりました。
あやうく評判を落とす失敗をしでかすところでした。
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