しみ、あざ アーカイブ

2007年09月02日

正しい治療をしたのに悪化するシミ

「先生、最近シミがすごくでてきて落ち込んでるの。」と40代の御夫人が訪ねていらっしゃいました。ゴルフによく行かれるというので、おそらくSKだろうと思って観察してみたところ、境界明瞭なちょっと張り付いた感じのシミが多数発生していました。間違いなくSK(日光角化症)です。
「・・さん、これはシミでも簡単に治るやつです。Qスイッチ・ヤグレーザーでおそらく1〜2回でかなりきれいになりますよ。最初3回くらいフォトRF・オーロラで顔全体を若返らせ、大きかったり濃いシミの部分にはQスイッチ・ヤグレーザーを当てましょう。」と自信満々にお話しました。そして、治療開始。
ところがレーザー照射後自然にかさぶたがはがれたところまでは良かったのですが、その後レーザーを当てた部分が茶色に変化していったのです。患者さんは不安がりました。「先生、これ、大丈夫ですか?失敗なんじゃないですか?」
「よもや」と思い私はもう一度よく患者さんの肌を観察してみました。最初診察した時はほとんど無かった「肝斑」がうっすら発生していたのです。おそらくレーザーを打つ前の夏に「肝斑」が悪化していたようです。
つまり、薄い「肝斑」の上に濃い「SK」が多数発生していたため、「SK」に目が捕らわれ薄い「肝斑」を見逃していたのです。そこにQスイッチ・ヤグレーザーを照射したわけですから、「SK」は改善しても「肝斑」は悪化したわけですね。
さっそくトランサミンとビタミンC、Lシステインを内服させ、「肝斑」部位の刺激を極力避けさせ日焼け防止を指示しました。3ヶ月ほどで落ち着いてきたのでフォトRFを再開、1年後に「肝斑」の消退とともに再度Qスイッチ・ヤグレーザーを「SK」に照射していきました。結果はたいへん満足するものでした。
このようにシミの治療は簡単なようで結構奥があるものなのです。
それにしてもよく話しはしていたつもりですが、患者さんがついてきてくれてほんとうに助かりました。
あやうく評判を落とす失敗をしでかすところでした。

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2007年09月06日

Qスイッチ・ヤグレーザーとは

レーザーは共振器の中で発生した光を鏡の間で繰り返し反射させることでエネルギーを増幅します。光の発生原がYAガスのものをヤグレーザーと呼びます。
ヤグレーザーでは1046nmと523nmの波長のレーザーを発生させられます。
ある種の電気的なシャッターによって共振器に溜め込んでいたレーザー光を、シャッターを開くことで一気に放出させるため、数十ナノ秒という非常に短い時間に強い光を発生するのが、Qスイッチレーザーです。
従来のレーザーでは周辺組織も熱変性を起こしますが、Qスイッチレーザーでは周囲正常組織をいためることなく、確実にシミの色素を破壊します。

(レーザーの皮膚深達性)
あらゆる色素性疾患の原因であるメラニン色素は、その存在する深さが様々なので、確実に消すためには、浅い層はもちろん深い層に存在するメラニン色素も破壊する必要があります。
レーザーの深く入れるためには以下の2点が重要になります

  • 波長は長い方が散乱が少なく、途中で弱まる率が低いため深くまで入ります。

  • 同じエネルギーで照射されたレーザーはパルス幅が短いほどピークパワーやパワー密度が高くなる。


QスイッチYAGレーザーは二つの波長を(532nm、1,064nm)使い分けることで、回りの組織を傷つけることなく、浅い層から深い層までの色素を確実に破壊できることができるのです。

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